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各社の出店計画が上向きの傾向なのは景気回復の合図?

2012年05月06日

今期は大手チェーン店舗を先頭に、各社の出店計画がかなり上向きに変化しています。
中には「過去最多の出店計画数」を発表しているチェーン店もあります。
それに加えてちょっとオシャレ感のある特異な商業地域(麻布周辺など)の店舗空室率も徐々に改善されてきています。
このような現象は過去の事例に照らし合わせると「個人消費が回復してきている」一つの信号です。
反面、依然として残る放射能の食へ与える不安感、再び発生したアメリカの牛肉問題、起爆剤になるような小売材料の不在、などは払拭される時期も明確ではなく、今回の「あたかも回復基調のように見える」店舗市場動向がはたして「本格的で継続的な回復」となるのか、または昨年の反動による一過性の現象であるのかが今後の重要な焦点だと感じます。
あまり爆発的な起爆材料が見当たらない為に各社とも今期は既存のノウハウをベースにして様々な工夫を凝らしています。
大手チェーン店舗の中でも「格安店中心から新規に高価格店の業態開発」を開始したり、逆に「高価格帯での集客力に陰りが見えたため、低価格帯の新規ブランドを立ち上げる」など、まさに「どうすれば消費者の消費意欲を継続して刺激し、売上を増大させる事が出来るのか」に相当な苦心をしています。
また今期は続けざまに新規OPENする駅前型の大型商業施設の話題なども今期の消費増大傾向を後押ししているようです。
ただ問題は新規の商業施設が話題になると既存の商業施設が落ち込む傾向に拍車がかかると言う事です。
先日、お台場では「ダイバーシティ」が鳴り物入りでOPENし大盛況ですが、道を挟んで徒歩5分に位置している商業施設「ヴィーナスフォート」などは同時刻にも客数もまばらで施設内はガラガラな状況です。
ここ数年は同じような現象が各所で見られますが、結局のところ国内の「日本人だけの消費枠」は数が限られていて、更に今後は高齢化によりその「消費者数」の枠もどんどん小さくなる事が確定しているので、このような流れを断ち切るためにはこれまでとは発想を変えた抜本的な改革・方策が何か必要なんだと思います。
それが「観光客の増加政策」なのか「移民の受け入れ政策」なのかは分かりませんが、国内景気を今よりも良くするには国内消費量を増大するしか無い訳ですから、これからの時代を生きる若い世代も、また高齢者やその予備軍の私たちも、斬新で新しい過去に囚われない発想や新たな仕組みをどんどん取り入れて受け入れる「変化に強い心の環境作り」が必要なのではないでしょうか。

株式会社ビルズ 代表取締役 井上 良介