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建築費高騰による建築中止の危機的状況

2025年05月15日

日本の建築費高騰による建築中止の危機的状況

建築費高騰の主な要因
1. 資材価格の上昇
ウッドショックやアイアンショックに代表されるように、木材や鋼材などの主要建築資材の価格が急騰しています。
さらに、生コンクリートの価格も2022年から2024年にかけて約40%上昇し、2025年4月には14%の追加値上げが実施されました 。

2. 労務費の増加
建設業界では慢性的な人手不足が続いており、特に設備工事の人材不足が深刻です。
これにより、労務単価が上昇し、建設コスト全体を押し上げています 。

3. エネルギーコストと為替の影響
ウクライナ情勢や円安の進行により、エネルギー価格が高騰し、輸入資材の調達コストも増加しています 。
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建築中止・延期の具体例

建築費の高騰により、以下のようなプロジェクトが中止や延期を余儀なくされています。

• 中野サンプラザ再開発
当初計画の建設費が約2倍に膨れ上がり、計画が白紙化されました 。

• TOCビル(東京・五反田)
建て替え計画が延期され、既存施設のリニューアルを経て2033年の着工を目指す方針に変更されました 。

• 日本医科大学多摩永山病院
建設費の高騰を理由に、移転・建て替え計画が断念されました 。
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社会・経済への影響

• インフラ整備の遅延
公共施設や病院の建設中止により、地域住民の生活環境や医療サービスに支障が生じています。

• 不動産市場への波及
建築費の上昇が不動産価格や賃料の高騰を招き、企業や個人の負担が増加しています。

• 建設業界の経営悪化
資材価格や労務費の上昇により、建設業者の経営が圧迫され、倒産件数が増加しています 。
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今後の展望と対策

建築費の高騰は、短期的な解決が難しい構造的な問題です。
政府や業界団体は、以下のような対策を検討・実施しています.

• 資材調達の多様化:
輸入依存から脱却し、国内生産の促進や代替資材の活用を進めています。

• 労働力の確保
外国人労働者の受け入れ拡大や建設業の魅力向上を図り、人手不足の解消に努めています。

• デジタル技術の導入
建設プロセスの効率化やコスト削減を目的に、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)などのデジタル技術の活用が進められています。
これらの取り組みを通じて、建築費の高騰に対応し、持続可能な建設業界の実現を目指すことが求められています。

店舗仲介業への影響

1. 新規出店計画の停滞
建築費の上昇により、特にロードサイド型の新築店舗の出店計画が見直されるケースが増えています。
建築コストの増加は、投資回収期間の延長や採算性の悪化を招き、出店を控える動きが見られます。

2. 既存物件への需要シフト
新築物件のコスト増加に伴い、既存の空き店舗や中古物件への需要が高まっています。
これにより、仲介業者はリノベーションや用途変更の提案を通じて、既存物件の活用を促進する役割が求められています。

3. 仲介業者の役割の変化
建築費の高騰により、仲介業者は単なる物件紹介にとどまらず、コスト削減や収益性向上のための提案を行うコンサルタント的な役割が強まっています。
例えば、建築費の抑制策や既存物件の活用方法など、クライアントに対する付加価値の提供が重要となっています。
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対応策と今後の展望

1. リノベーションの提案強化
既存物件のリノベーションを提案することで、建築費を抑えつつ新たな価値を提供することが可能です。こ
れにより、クライアントのニーズに応じた柔軟な対応が求められます。

2. デジタル技術の活用
オンラインでの物件紹介やバーチャル内覧など、デジタル技術を活用することで、効率的な仲介業務が可能となります。
これにより、遠隔地のクライアントへの対応や業務効率の向上が期待されます。

3. 多様なサービスの提供
仲介業務に加え、資金調達のサポートや市場調査、マーケティング支援など、幅広いサービスを提供することで、クライアントとの関係強化が図れます。
これにより、仲介業者としての競争力の向上が期待されます。
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建築費の高騰という課題に直面する中、店舗仲介業者は柔軟な対応と付加価値の提供を通じて、クライアントのニーズに応えることが求められています。
今後も市場の動向を注視しつつ、適切な戦略を講じることが重要です。

株式会社ビルズ 代表取締役 井上 良介