*店舗仲介特記*不動産仲介業の報酬体系とキャッシュフローの特徴
2025年03月13日
不動産仲介業の報酬体系とキャッシュフローの特徴不動産仲介業の報酬構造
不動産仲介業は「完全成功報酬型」のビジネスモデルであり、契約が成立するまでの営業コストは全て先行投資となる。
そのため、受託案件が増えるほど一時的な営業キャッシュフローは悪化しやすい。
特に「店舗仲介」は契約成立までに数ヶ月かかることもあり、資金回収までの期間が長い。
一方で、**賃貸仲介(アパート・マンション)**は契約までの期間がわずか数日と短く、回転率が高いのが特徴。
不動産業の業態別キャッシュフローの違い
不動産業には様々な業態があり、それぞれのキャッシュフローの安定性が異なる。
• 不動産仲介業(賃貸・売買):完全成功報酬型のため、契約成立までの資金負担が大きい。
• 不動産賃貸業(大家業):前家賃制度があるため、仲介業と比べてキャッシュフローは安定している。
不動産業の業態別、契約成立までの期間
① 土地開発・建築関連事業
事業内容 期間
再開発事業 数年~数十年
地上げ事業 交渉開始から数年~
大型建築案件 着工から2~3年
高層建築案件 着工から2~3年
低層建築案件 着工から1~2年
小型低層案件 着工から半年~1年
② 売買仲介事業
事業内容 期間
開発・地上げなどの土地売買 数ヶ月~数年以上
マンション・貸しビルなどの建物売買 数ヶ月~数年
ワンルームなど区分所有の売買 数ヶ月
③ 賃貸仲介事業
事業内容 期間
アパート・マンションの賃貸仲介 即決~2、3日間
オフィス賃貸仲介 1週間~1ヶ月
店舗賃貸仲介 1ヶ月~3ヶ月
まとめ
• 賃貸仲介業は回転率が高く短期での売上確保が可能だが、利益率は低く物量勝負のビジネス。
• 売買仲介業や開発事業は契約までの期間が長く、資金繰りの管理が重要。
• **大家業(賃貸業)**は安定収益が見込めるが、初期投資が大きい。
不動産会社を経営する際は、キャッシュフローを考慮した業態の選択が重要となる。
株式会社ビルズ 代表取締役 井上 良介