*店舗仲介特記*空き店舗が徐々に増加傾向
2010年11月02日
長期間、後継テナントが決まらずに空いている店舗が徐々に増加しています。(首都圏市区別募集傾向参照・店舗仲介データより)そして、そこには昨年と比較して大きく異なる点があります。
それは、「2等地と判断されるような少々弱い立地だから長期間空室になっている」のではなく、**「1等地で、駅前の好立地にも関わらず長期間空室になっている」**店舗数が増えている点です。
一説には、1.5兆円と言われた外食市場がいまや1兆円(3割以上の縮小!)にまで落ち込み、店舗が飽和状態になっていることが大きな要因でしょう。
店舗仲介の視点から見ても、「景気の低迷により外食を控える、回数を減らす」傾向がこのような市場の縮小をもたらしていることは間違いありません。
また、そこへ「低価格志向」の波が押し寄せ、「ちょっと贅沢」「本当に美味しい」「食材にこだわりがある」店舗などは苦戦が続いています。
物販店舗を見ても、百貨店やスーパーの売上は決して良くはありません。
伸びているのはネット販売であり、店舗仲介の市場でも実売店舗の縮小が予想される状況となっています。
先月の業界ニュース(テナント情報館参照)でも、大手物販・飲食店の各社が海外へ出店強化に舵を切る内容のニュースが多く見受けられました。
欧米に比べて貯蓄率の非常に高い日本で、なぜこのような状況が生まれるのか不思議な気がします。
「金は天下の回りもの」と言われるように、お金は使う(上手く生かす)ことで、また得ることができるものだと思います。
「皆が貯めるだけで使おうとしない」ならば、景気が悪くなるのは当然の結果のようにも思えます。
そう考えると、日本人は「お金の使い方が下手な国民」と海外メディアが評価することにも一理あるのかもしれません。
実際に、貯蓄率が日本よりはるかに低い米国の方が、先に徐々に景気が回復しています。
果たして日本の消費者心理に変革がもたらされるには、どのような仕組みや方法が必要なのでしょうか?
答えは、消費者一人ひとりの心の中にあるのかもしれませんね。
株式会社ビルズ 代表取締役 井上 良介