新築案件に割高感
2010年04月08日
都心部では新規着工案件が徐々に見られ新規店舗募集も増えて来ましたが、周辺の既存の店舗賃料に比べるとかなり割高な賃料設定の店舗が多数見受けられます。「新築事務所」の場合には様々なインフラ、セキュリティ設備、快適な空間提案などにより「新築ならではの付加価値」を見出す事で高めの賃料設定がされる意義も十分に分かりますが、店舗の場合にはどうでしょう?
店舗は殆どが「スケルトン引渡し」なのでその価値は「立地」(人が多いか少ないか)、「間口」(入りやすいのか入りにくいのか)、「看板」(分かりやすいか分かりにくいか)、でほぼ確定してしまいます。ですから「新築だから賃料が高い」と言う理屈は入居するテナント様からは実はあまり評価されません。更に言えば古い建物でも「立地」さえ良ければ「間口に化粧」「目立つ看板設置」が出来れば新築店舗にも十分に対抗出来ます。
今年に入り着工または着工予定案件で「新規に店舗テナント募集」を開始した物件の中には「周辺の実勢成約賃料」と比較すると約30%ほども割高な物件も多く、仕入れの関係で設定している賃料かと思われますがかなりの苦戦を強いられる事も十分予測出来ます。
株式会社ビルズ 代表取締役 井上 良介